袋小路

袋小路 物事が先に進まない状況になること。

清張と青春 ①

小田急千歳船橋駅から徒歩2分のアパート。

そこに引っ越してからは、夜は六畳の和室に二枚の敷布団、三枚の掛け布団を家族3人で分かち合う生活を大学進学まで続けた。

 私はいつも母親のみているテレビの音で目覚めた。人間は、自身の所有しうる記憶や情報を整理するために夢を見るという。テレビが寝室にあるおかげで交通事故に遭う夢、一家心中の夢を毎朝交互に見た。ニュース番組で流れる不幸な事件事故を無意識に聴覚で捉えて、夢の中で日常的に追体験していたのだ。