袋小路

袋小路 物事が先に進まない状況になること。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スキーマ

なんども聞いた音楽にうんざり 見慣れた景色にうんざり 朝にうんざり 夜にうんざり 繰り返しにうんざり 予期にうんざり 瞬間にうんざり 明日に、自分に、さようならしても、そこで待ってるのが繰り返しだとしたら、ぞっとする

清張と青春 ④

十代半ば、母親とは衝突が絶えなかった。 ある時は殺意を抱き、ある時は「死んでやる!」と叫んだ。思春期の大人への反撥、世の不平等や理不尽に対する嘆きである。そこで殺してやろうだとか死んでやろうだとか、物騒なことを考えていた時期もあった。 しか…

清張と青春 ③

松本清張の「張り込み」には「張り込み」の他に「カルネアデスの板」「一年半待て」「声」などが収録されていて、私たち人間誰もが感じたことのある"殺意"の行方が丹念に描かれている。 「張り込み」を文学好きの母親に勧められて初めて読んだ当時、私は14歳…

清張と青春 ②

私の母親はヘビースモーカーで、部屋には煙草の煙や匂いが充溢していた。当時、私は煙草の匂いに極めて鈍感だった。 ところで母親の煙草にはヒ素を極少量塗布しておいてある。一度口にしただけで死ぬ量ではなく、毎日毎日少量ずつ摂取することで体内に健康被…

清張と青春 ①

小田急線千歳船橋駅から徒歩2分のアパート。 そこに引っ越してからは、夜は六畳の和室に二枚の敷布団、三枚の掛け布団を家族3人で分かち合う生活を大学進学まで続けた。 私はいつも母親のみているテレビの音で目覚めた。人間は、自身の所有しうる記憶や情報…