袋小路

袋小路 物事が先に進まない状況になること。

清張と青春 ②

 私の母親はヘビースモーカーで、部屋には煙草の煙や匂いが充溢していた。当時、私は煙草の匂いに極めて鈍感だった。

 ところで母親の煙草にはヒ素を極少量塗布しておいてある。一度口にしただけで死ぬ量ではなく、毎日毎日少量ずつ摂取することで体内に健康被害は蓄積されある日突然死んでしまう。致死量の毒を一度で摂取して死ぬのとは異なり、一見では毒死であるとバレない殺害方法だ。

 彼女はまさか自分のタバコに毒が盛ってあるとは知らない。

 この話は私が中学生の時に思い描いた完全犯罪のシナリオである。